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トップ>成年後見制度/3.発達障害者支援法について





この法律において発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常において発現するものとして政令で定めるものをいう。
この法律において発達障害者とは、発達障害を有する為に日常生活/社会生活に制限を受ける者をいい、発達障害児とは、発達障害者のうち18歳未満の者をいう。
この法律において発達支援とは、発達障害者に対し、その心理機能の適正な発達を支援し、及び円滑な社会生活を促進するため行う発達障害の特性に対応した医療的・福祉的&教育的援助をいう。

発達障害 PDD(広汎性発達障害)
Pervasive Developmental Disorder
自閉症(大半は知的障害者福祉法で救済)
高機能自閉症
アスペルガー症候群 Asperger Syndrome
AD/HD(注意欠陥・多動性障害) Attention Deficit/Hyperactivity Disorder
LD(学習障害) Learning Disabilities

男女比率は 男:女 = 4:1 〜 5:1(圧倒的に男に多い)
文科省の2012年の調査では、公立小学校通常学級児童の7.7%が発達障害などで特別な支援を必要とされる。
現実にはPDD ・AD/HD ・LDのうちの複数ダブった人が多い(その上に知的障害を併合する場合もある)
障害者と健常者の間には多数の各段階がある

自閉症 自閉症 低機能自閉症(知的障害を伴う、IQ70未満)
高機能自閉症 精神障害者に分類される(知的障害がない)
高機能非定型自閉症 自閉症の診断基準に当てはまらないタイプ
自閉症(autism)=先天性脳機能障害=社会性や他者とのcommunication能力に困難が生じる発達障害の一種   日本における自閉症患者数 = 36万−120万人(日本自閉症協会統計)

高機能広汎性発達障害
(IQ70-85以上)
高機能自閉症
アスペルガー症候群
高機能非定型自閉症
高機能広汎性発達障害(高機能PDD)= 普通にしゃべる(但し、含みを持った言葉がわからない)
PDDを治す薬はない(但し、眠られない・イライラするのを治す薬ならある)

広汎性発達障害(PDD)の特徴:社会性・コミュニケーション・想像力の3領域全てに障害がある
「Communicationが苦手だから他者への関心が極端に乏しく、従って自分のこだわりが強い」

(1) 社会性:他の人との社会的関係を持つことが苦手、対人相互反応の質的な障害(人付き合いがへた)
(2) Communicationへた:意思伝達上の障害
(自分の思いを相手に伝えられない、相手の言いたいことが理解できない)
(3) 想像力の特異性(こだわり・融通の利かなさに現れる活動と興味の範囲が著しく狭い → 創造性につながる)
以上の3分野全てに障害を持ち(1−2点だけなら単なる「性格」という)、3歳未満で発症する者

(1) 社会性の特徴
人との付き合いが苦手、付き合い方のルールや社会の常識が分かりにくい
集団になじめない → わがまま、いじめ、不登校、ひきこもり、一人遊びを好む
愛着行動が異常 = 人に対する関心が乏しい
一般常識・暗黙の社会ルールが理解できない → life navigationを提供してあげる必要がある
「相手の立場になって」は通じない(立場を換えることができないから)
原則マイペース、3時の休憩時、相づちできない、あいまいが苦手、雑談不得手

(2) Communicationの特徴
一方的で意味が通じない、反応もこちらの問いに答えていない、場が読めない
言外の意味を汲み取ることが苦手(→ 問いかけはなるべく具体的にする必要がある)
言葉理解の問題:冗談が通じない、雑談が苦手 = 社会性の問題(場が読めない)でもある
「部屋を片付けて」では何をしていいのか分らない(→「本を本棚にしまって」と言えば分かる)
「胸に手を当てて考えてごらん」は通じない
言葉を文字通り解釈する(真面目、律義)
裏技が使えない → 正直に全部言う(相手のことを考えず「老けましたね」「太っているね」等)
ロボットのように無表情のしゃべり方をする
曖昧な表現が理解しにくい、説明できない
「また今度ね」→ いつ会えるかしつこくきく(「○月×日」と言われれば忘れない、安心する)
「あれ持ってきて」、「ちょっと待って」は意味不明(→ 無視、又はパニック)
仕事の指示はメモで出すとわかってもらえる(→ 本人は安心して仕事ができる)
具体的に言う:「ちゃんとしなさい」「適当にやっといて」「あなたはどう思う?」= 曖昧すぎる
「どんな気持ちになると思うの?」「何でできないんだ」「何回言ったらわかるんだ」= 答えようがない
誰も理解してくれないと思う、ちょっと変わっていると思われるが本人は一向に気にしない
話し方がとても回りくどく、必要以上に細かいところにこだわる →(要約が苦手)要点だけ話せない
一方的に話す、通じ合っていると勘違いする
自分の関心のある話題を一方的に話しかける(相手にとっても関心のあることだと思うから)
Communicationというキャッチボール能力に障害あり = Communicationの障害
話題が急に飛ぶ(頭の中で絵が見えている ← 記憶が鋭いからか)

*大人の発達障害者同士の自助グループ「イイトコサガシ」(http://iitoko-sagashi.blogspot.jp/、代表・冠地 情氏)は全国22都道府県でcommunication力の向上を図る勉強会を頻繁に開催している。相手の長所を探し良いところを指摘することで互いのcommunication力を磨く方法を取り入れている。

(3) 想像力の障害(こだわり・興味の偏り・融通が利かない)
完璧主義:曜日博士、百科事典丸覚え(但し、興味のないことには極端に無関心)
どこから始めるか、次は何か、いつ終わるかの見通しを自分で立てて計画的・組織的に取り組むことが苦手
→ 仕事の段取りが組めない、優先順位が付けられない、掃除・洗濯等の家事をこなせない
→ 子供の自主性を尊重する教育は逆効果(→ life navigationが必要)
要領が悪い(→ 優先順位つけておくと解決する)
時間の管理が苦手
→ 自由な時間(休み時間)が苦手:「好きなことをしてもよい時間」=「何をしていいかわからない時間」
一定の手順にこだわりその手順やパターンが崩れると混乱する、予定の変更が受け入れ難い
こだわり:毎月5日と決めておくと安心する → 変更すると裏切られたと思ったりする
仕事の途中で「先にこれして」という 急な変更に対応できない → パニックに陥る(マニュアル化で対応する)
自分にとっての優先があるから、一概に優先順位が付けにくい → 同時に複数の作業ができない
こだわり:アリを何時間も見続ける、踏み切りで電車を延々と見続ける、揺れる木の葉を見続ける子供
(興味のレパートリーが狭いとも集中力が異常に強いとも言える)
情報の収集に熱中する(沢山の情報を集めることで予想外の事態を避けるためか)
友人や教師の名前・誕生日・星座など細かく覚えるのが得意(機械的記憶力は優れている)
自分の関心あるものしか見えない、頭の中でこだわりあり、動機が理解できない
経験していないことはイメージできない →「もしあなたが―――だったらどうする?」という質問には答えられない(相手の立場になれないから)
他人の視点から見ることができない → 変な服装で仕事の面接に行く(大前提がわかっていないから)
でも、こだわりは発達のエネルギーでもある(→ 活かすと社会に役立つ、エジソンの例)


白黒思考
白か黒か、敵か味方か、0か100かどちらかでなければならないと考える両極端な思考法
本人にとって都合のよくないことを言われると攻撃的になり、関係が切れる
(0か100かの思考パターンなので、こちらが意図する以上に完全否定されたと受け止めるから)
頭の中に良い箱と悪い箱の二つしかない =「いい加減、適当」という概念がない
陰口を言う人は悪い人、うそつきだと思う → 中間の箱を作るように持っていくとよい
聞くと書くを同時にできない = 話を聞きながらメモを取れない
(話を聞くか聞かないかの二者択一の状況の中で同時に別のことをするという選択肢を持ち合わせない)
→ 話を中断してメモを取る時間を作ってあげる必要がある
話すことと聞くことも同時にできないから一方的に話す
独特のこだわりが対人関係でhandicapになる(社会の発展の原動力でもあるが)


自閉症(自閉性障害、Autistic Disorder、社団法人日本自閉症協会による定義)
 
A.(1) (2) (3)から合計6つ以上、内少なくとも(1)から2つ、(2)と(3)から1つずつの項目を含む者
(1) 対人的相互反応における質的な障害で以下の少なくとも2つによって明らかになる
  (a) 目と目で見つめ合う、顔の表情、体の姿勢、身振りなど、対人的相互反応を調節する多彩な非言語性行動の使用の著明な障害
(b) 発達の水準に相応した仲間関係をつくることの失敗
(c) 楽しみ、興味、成し遂げたものを他人と共有すること(例:興味のあるものをみせる、もって来る、指さす)を自発的に求めることの欠如
(d) 対人的又は情緒的相互性の欠如
 
(2) 以下のうち少なくとも1つによって示される意志伝達の質的な障害
(a) 話し言葉の遅れ又は完全な欠如
(身振りや物まねのような代わりの意志伝達の仕方により補おうという努力を伴わない)
(b) 十分会話のある者では、他人と会話を開始し継続する能力の著明な障害
(c) 常同的で反復的な言葉の使用又は独特な言語
(d) 発達水準に相応した、変化に富んだ自発的なごっこ遊びや社会性を持った物まね遊びの欠如
(3) 行動、興味及び活動の限定され、反復的で常同的な様式で、以下の少なくとも1つによって明らかになる
(a) 強度又は対象において異常なほど、常同的で限定された型の、1つ又はいくつかの興味だけに熱中すること
(b) 特定の、機能的でない習慣や儀式に頑なにこだわるのが明らかである
(c) 常同的で反復的な衒奇的運動(例えば、手や指をぱたぱたさせたりねじ曲げる、又は複雑な全身の動き)
(d) 物体の一部に持続的に熱中する
 
B.3歳以前に始まる、以下の領域の少なくとも1つにおける機能の遅れ又は異常
(1) 対人的相互作用
(2) 対人的意志伝達に用いられる言語
(3) 象徴的又は想像的遊び


アスペルガー症候群(Asperger Syndrome)
Hans Asperger 医師(1944年論文発表) → 別の医者が今から30年前「アスペルガー症候群」と名づけた
先天的認知発達の偏り、遺伝を原因とする脳機能の微妙な障害(脳の発達に偏りがある)
一卵性双生児で一人がアスペルガーの場合、100%二人ともアスペルガーである
知能は正常範囲、言語習得も正常(高機能自閉症も正常知能を示す)
特定の分野に極端な興味と知識を持つ、ユニーク
同年齢集団での仲間関係が成立しにくい、不器用が多い、運動と生活動作の両面で差し障りを示す
結論として社会生活上適応しにくい

注意欠陥・多動性障害(AD/HD = Attention Deficit/Hyperactivity Disorder)
中枢神経系の成熟障害・機能障害を原因とすると考えられている
注意力(集中できない)・衝動性(考えるよりも先に動く)・多動性(じっとすべき時にじっとできない)を自分で制御できない脳神経学的な疾患、7歳未満の、特に男の子に多い
落ち着きがない、整理整頓・片づけが苦手、極端な物忘れ、元に戻すのを忘れる
単調な作業を長時間できない・些細なミスをする、考えずに行動する、多弁(早口でおしゃべり)
時間や物の管理ができないなど適応の障害(但し、忘れっぽいだけでAD/HDにはならない)
誰でも努力すればできそうなことができない障害なので、「怠けている、不真面目」などと怒られたり、軽蔑されたりする → 本人は自信や希望を失い、自暴自棄になったり、うつ傾向になったりすることがある

AD/HDの子供が成年になると統計上下記の通りになっています
30%:いつの間にか消えて治る(まわりの支援と本人の努力による、生活上支障ない)
40%:いつまでもうっかりミスが多い程度の症状継続(生活上の支障は軽微)
30%:精神症状の合併を伴い症状継続 (生活上重大な支障が残る)

AD/HDの合併症
行為障害、不安障害、感情障害(うつ)、適応障害(不登校)、自分で自分を否定すると二次障害になる
   二次障害:うつ病、PTSD(Post-Traumatic Stress Disorder、心的外傷後ストレス障害)
理解者(key person)がいるとなんとかなる → 思いやりの言葉かけで本人の自信喪失を防止する
薬物療法、心理療法等で問題行動は軽減できる → 見えない障害が個性になり、才能として活用できる
衝動的な人 = 実行力と行動力がある
他人と違う = 間違っていることではない、人によりいろんな能力があることを認め合うこと
所詮完璧な人はいない、まずは自分を知ること(得意なことと不得意なことを理解する)
日常生活で困らない方法を学習すれば能力は開花する
個性だから得意なところを伸ばすように本人を納得させる
特性を理解して自分で対処法を見つけるとAD/HDでなくなる
本人がAD/HD気味と思って努力するのが大事
18才以下のAD/HDには有効な薬がある(欧米で効果をあげている中枢神経刺激薬「メチルフェニデート、methylphenidate」による薬物療法、但し、まだ保険適用外、しかも19才以上の大人への初回投与は認められていない)


学習障害(LD = Learning Disabilities)
読む・書く・計算する等の能力だけが他の知的発達に比べて極端に遅れあり(漢字だけ苦手、計算だけ苦手)
文字がひっくり返って見えたりする、成人期まで持続することがある
推論が苦手:10cm = 100mmは理解できない、物事の因果関係が理解できない
本を読む時に行をとばす子供 → 他の行を見えないように隠すと読める
枠の中に字が書けない人 → 枠がなければ書けるので、枠を隠す
画家のゴッホ(Vincent van Gogh 1853-1890)、ピカソ(Pablo Picasso 1881-1973)、詩人のランボー(Arthur Rimbaud 1854-1891)、発明王エジソン(Thomas Edison 1847-1931)、音楽家モーツアルト(Wolfgang Amadeus Mozart 1756-1791)、科学者アインシュタイン(Albert Einstein 1756-1791)、幕末の志士坂本竜馬(1836-1867)などは広汎性発達障害の典型とされる。



国民は、発達障害者の福祉について理解を深めると共に、社会連帯の理念に基づき、発達障害者が社会経済活動に参加しようとする努力に対し、協力するように努めなければならない。
私たちは障害を持つ子どもたちの普遍的人権を擁護し、将来の社会の一員として、国民の一人として、彼らが活躍できるような環境の整備に全力を尽くさなければならない。彼らがより広く社会に参加し、能力を発揮し、権利を行使できるような社会を作るよう私たちは協力しなければならない。

支援の基本 = 上手な接し方
(1) 障害部分の訓練・克服よりも、今持っている能力を活かす → 苦手な部分は回避するのがよい
子供の関心事は矯正するのではなく興味を良い方向に伸ばすように持っていく(電車に強い関心ある子には駅名から漢字を覚えさせる、路線図から地理の勉強につなげていく、電車の構造から理科の勉強につなげていく等)
頭がいいのに教師に怒られたり馬鹿にされると、落ち込み、自信をなくす → できるだけ長所をみつけてほめる
一度に大きな課題・高すぎる目標を与えず、課題を小分けにする → やる気が出てくる
得意分野を活かす仕事につく(天気予報、ルート検索、コンピューター)
 
(2) 環境調整・環境整備
状況が分かりにくい人でも、場面の意味が分かれば適切に行動できる
抽象的な言い方は分かりにくい → 具体的に言えば分かる
変化が苦手な人には時間管理を支援する → 予定変更はできるだけ前もって視覚的に提示するとよい(予めいつもと違うことが分かれば安心する)
予測できないことを嫌う → 予測しやすい環境にする → スケジュールを紙に書いて予告するとよい
耳で聞いて理解するのが苦手 → 目で見て理解することは得意(言葉で伝わりにくい場合は紙に書いてもらう)これは才能でもある(目で見たものを覚え、理解することが得意 → 幼少から漢字・アルファベットを覚える等)
 
(3) Communicationに工夫する
ルールや指示は明確に → 曖昧な指示や暗黙のルールの理解は困難、言葉の裏の意味を理解する必要をなくす(その子供の能力の範囲内で実行可能なルールにする)
「ちょっと待って」→ 具体的に「10分待って」と言うと安心する
回りくどい言い方を避ける = 比喩表現・曖昧な表現・皮肉・言外の意味の理解を期待した指示はしない
具体的・肯定的表現にする:「しつこいね。いいかげんにしなさい」→「その質問は1日1回にしてください」
「走ってはだめ!」→「歩きます」、「立ったらだめ!」→「座りましょう」
「大きな声を出さないで!」→「小さな声で話そうね」
否定的な言動に対してとても敏感、記憶力も良い(怒られたことをいつまでも根にもつ)
場違いの質問 →「今この場ではその話はできない」、「この話は5分で打ち切る」などと情況に応じて明確に伝えた上で、「いつどこでなら話をしても良い」という代替案を提示するのが大事
きつく何度も叱らないこと → 注意は短く具体的にすべき
情報が多いと混乱する(優先順位が付けられない)→ 余計な情報を減らせば分かりやすく安心する
正直すぎると世間では問題が起こる → 工夫すれば障害でなくなる
 
(4) 「こだわり」を支援する
環境の予測可能性を高める:仕事の手順など一定のやり方(パターン)を決めておく
予定外の出来事やスケジュールの変更などは、たとえ直前であってもきちんと伝えることが大切
変更の可能性があるものについては、変更部分を視覚的にはっきり提示する
(同時に変わらない部分も提示して安心を保証する)


(社会性の発達の)違いに配慮する
A 社会的状況からくる負荷を軽減してあげる(リラックスできる場所・時間が必要)
    (皆と休むのが苦痛な人には)一人になれる場所(personal space)を設置する
(= 一人で休憩や食事のできる場所を確保する)
(1時間も他の人と一緒に過ごせない人には)一人でいてよい時間と集団に参加すべき時間の初めと終わりを明確に告げる(1時間以上ならかんしゃく・パニックを起こすが、15分なら楽しめる人もいる
← 他の人には楽しい社交の場が苦痛の場になることもあると周囲が理解すればよい)
B「Life Navigation System」を提供する
社会的ルールははっきり目に見える形で示し、こちらの期待や意図も初めに明確に伝える
本人が納得できるような理由を明確に伝え、他者の視点も説明する
ちょっと頑張れば到達できそうな目標を設定する(あまりにも大きな目標は逆効果)
C 気持ちを静める練習をする(ストレスが悪いので、緊張しないようリラックスする方法を見つける)
不安やストレスを和らげる方法を覚える(深呼吸、数を数える、運動する、など人によって異なる)
パニックには冷静な対応をする:一人になれる場所(personal space)の確保
「興奮 → パニック」の悪循環を断つ ← 成功の経験を持つことが大切
感情の爆発を予防する(周囲が前兆に気付く、本人が前兆を察知する、調子の悪い日には無理をさせない)

自尊心を回復することが大事、お互いの違いを認めること → あなたの特性だからそれでいい
1.対処療法(睡眠薬等)
2.特性(障害)を認識すること = PDD以外の人の感じ方が違うと認識する
自己理解・他者理解、障害と個性は区別しにくい ← 家庭・学校・職場等で理解者が必要
3.居場所を見つける(→ コンピューター専門学校、自動車整備学校等)
「どうしたの?」と言われるのが疲れる
アクト大阪(当事者会、自助グループ)のような発達障害者支援センターを利用する
(→ みんな違うから「どうしたの?」と言わない)



市町村は、母子保健法§12・§13に規定する健康診査を行うに当たり、発達障害の早期発見に十分留意しなければならない。
市町村の教育委員会は、学校保健安全法§11に規定する健康診断を行うに当たり、発達障害の早期発見に十分留意しなければならない。
市町村は、児童に発達障害の疑いがある場合には、適切に支援を行うため、当該児童についての継続的な相談を行うよう努めると共に、必要に応じ、当該児童が早期に医学的/心理学的判定を受けることができるよう、当該児童の保護者に対し、§14Tの発達障害者支援センター、§19の規定により都道府県が確保した医療機関その他の機関(「センター等」)を紹介し、又は助言を行うものとする。
市町村は、前各項の措置を講じるに当たっては、当該措置の対象となる児童&保護者の意思を尊重すると共に、必要な配慮をしなければならない。
都道府県は、市町村の求めに応じ、児童の発達障害の早期発見に関する技術的事項についての指導・助言その他の市町村に対する必要な技術的援助を行うものとする。
診断を受けることで支援の方向性がわかる
周りの人がその子の特徴を正しく知り、適切にサポートすることが大切
診断上の問題
心理テスト・行動観察により精神科医・小児科医・臨床心理学の専門家が診断する
(短時間の診察室での初診時面接や診察では「正常」とされることがある)
アスペルガー症候群は児童期に明らかになり、本質的には成人期まで継続する



市町村は、発達障害児が早期の発達支援を受けることができるよう、発達障害児の保護者に対し、その相談に応じ、センター等を紹介し、又は助言を行い、その他適切な措置を講じるものとする。
都道府県は、発達障害児の早期の発達支援のために必要な体制の整備を行うと共に、発達障害児に対して行われる発達支援の専門性を確保するため必要な措置を講じるものとする。



都道府県&市町村は、発達障害児の保護者が適切な監護をすることができるようにすること等を通じて発達障害者の福祉の増進に寄与するため、児童相談所等関係機関と連携を図りつつ、発達障害者の家族に対し、相談&助言その他の支援を適切に行うよう努めなければならない。
広汎性発達障害の診断症例:社会性・コミュニケーション・想像力の3領域全てに障害がある
(a) 社会性:他の人との社会的関係を持つことが苦手、対人相互反応の質的な障害(人つきあいがへた)
(b) Communicationへた:意思伝達上の障害
(自分の思いを相手に伝えられない、相手の言いたいことが理解できない)
(c) 想像力の特異性(こだわり・融通の利かなさに現れる活動と興味の範囲が著しく狭い → 創造性につながる)
以上の3分野すべてに障害を持ち(1−2点だけなら単なる「性格」と言える)、3歳未満で発症する者
「Communicationが苦手だから他者への関心が極端に乏しく、従って自分のこだわりが強い」
発達障害は生まれつきのものであり、育て方・家庭環境とは無関係、本人に責任はない



知事は、次に掲げる業務を、社会福祉法人その他の政令で定める法人であって当該業務を適正且つ確実に行うことができると認めて指定したもの(「発達障害者支援センター」)に行わせ、又は自ら行うことができる。
発達障害の早期発見、早期の発達支援等に資するよう、発達障害者&その家族に対し、専門的に、その相談に応じ/助言を行うこと。
発達障害者に対し、専門的な発達支援&就労の支援を行うこと。
医療、保健、福祉、教育等に関する業務(「医療等の業務」)を行う関係機関&民間団体並びにこれに従事する者に対し発達障害についての情報提供&研修を行うこと。
発達障害に関して、医療等の業務を行う関係機関&民間団体との連絡調整を行うこと。
前各号に掲げる業務に附帯する業務 
第一項の規定による指定は、当該指定を受けようとする者の申請により行う。
周囲の人たちが発達障害者の障害特性を知り、適切な対応を心がけていくことで、発達障害者が持てる能力を発揮しやすくなり、生活もしやすくなる。「親の仲間づくり活動」でも「当事者本人の活動」でもどちらでも構わないが、グループを作ることで人が集い、人が繋がり、情報が集まり、新たな叡智が生まれ、豊かな未来への第一歩が刻まれる。発達障害者支援センターはそのようなグループに助言をすることができる専門家を擁している場合が多く、できるだけ専門家の協力を得て適切な環境を作るようにするとよい。

大阪府 「アクトおおさか」 大阪市淀川区十三東3-18-12 イトウビル1階
http://homepage3.nifty.com/actosaka/
06-6100-3003
大阪市 「エルムおおさか」 大阪市平野区喜連西6-2-55
http://www16.ocn.ne.jp/~hattatsu/
06-6797-6931
堺市 堺市発達障害者
支援センター
大阪府堺市西区上野芝町2-4-1
http://www.scswa.jp/
072-276-7011



国・地方公共団体は、発達障害に関する国民の理解を深めるため、必要な広報その他の啓発活動を行うものとする。



国・地方公共団体は、医療/保健の業務に従事する者に対し、発達障害の発見のため必要な知識の普及&啓発に努めなければならない。

発達障害の人には感覚反応に独特の特徴がある場合がある(身体の感覚に偏りがある、音・光に敏感/鈍感等)
視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚などに敏感すぎたり鈍感すぎたりする(全ての領域にではない)

視覚: 教えもしないのに文字やアルファベットなどを幼児期に覚えてしまう
聴覚: 聴覚過敏、音への敏感さが特定の音を好む → 電車のガタンガタンという音を熱中して聞き続ける
音感に敏感でほんのわずかな音程のずれでもわかる子供 → 学校の音楽の時間に調子はずれの合唱に参加することはとても苦痛(→ 音楽の時間をサボる)
触覚: ぬいぐるみなどの感触が好きでいつも持ち歩く(触覚への過敏性の表現)
嗅覚: 好き嫌いの域を超えている → 慣れない匂いがすると一人どこかに行ってしまう、不登校
他人の体臭や口臭に敏感 → 社会参加の妨げ、悪気はないが、はっきりと相手に指摘して傷つける
塩素消毒の臭いが苦痛で体育のプールの時間をサボる
味覚: 味覚の敏感さ = 偏食(極端に敏感な場合は特定の銘柄の特定な物しか食べない)
学校で給食の時間に残さず食べるように指導されるのが苦痛 → 不登校
偏食 ≠「わがまま」→ 偏食の矯正を給食の時間の目標にしてはいけない
偏食の一部は食べ物の「見た目」への敏感さが原因のこともある
(→ 調理の方法で見た目を変えると食べることができる)

<関連リンク>
NPO法人えじそんくらぶ(代表高山恵子氏)
社団法人日本自閉症協会(Autism Society Japan )
大人の発達障害者同士の自助グループ「イイトコサガシ」

発達障害者支援法



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